人間関係で転職をする

10.06.2020 · Posted in

ある調剤薬局で正社員の薬剤師として働いていました。新卒からずっと働き続けていた会社だったのですが、その社内にあまり仲のよくない薬剤師さんがいました。違う店舗で勤務していたので別に問題なく過ごしていたのですが、私は出産を機に時短勤務の正社員となって、その中の悪い薬剤師さんが薬局長を務める薬局に配置転換されることになりました。あまりいい予感はしていなかったのですが、その予感は的中してしまいました。

私の子供は保育園に入園した当初は風邪を頻繁にひいて、私も仕事を休まざるを得ない状況になりました。当然私の代わりに誰かが勤務することになるわけで、その状況に薬局長はイライラが募っていきました。そして、パワハラを受けたり、休職を勧められたりと嫌がらせを受けました。それをきっかけに別の調剤薬局に転職することになりました。

面接は新卒の就職活動の時以来のことで、しかも薬剤師は採用されるのが当然の世界だったので、学生時代には一生懸命就職活動をしたわけではなかったので不安はありました。ただ、転職の際の面接では特に問題なく、雑談のような雰囲気で面接が行われました。あまり緊張して固まり過ぎる感じにはならず、ありのままの自分でお話をすることができたので、受け答えに困ることもなく、採用されることになりました。その点は良かったのではないかと思います。

ただ唯一失敗したと思ったのが給料に関するお話しでした。実際のところどれぐらいの収入を得たいか聞かれたのですが、面接ということもあって控えめな金額を答えました。その金額が実際に条件として提示されたのでもう少し高い金額を言っておけばよかったと思いました。

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転職をしてみて面白かったことは自分の市場価値を知ることができたことです。同じ会社に10年程勤めてきて、社内のものさしでしか自分の価値を把握していませんでした。社内規定に則った昇給が毎年あって、それが妥当なものだと思っていました。しかし、転職する時に登録した転職サイトの方と面談させていただいたことがあったのですが、そこでは普段会社に対しては聞くことができないような給与水準についても聞くことができました。

そこで聞いた情報によると、私がいただいていた年収と市場価値から考えた年収との差額は50万円から100万円ぐらい差があり、転職した方が多くの収入を得ることができるということでした。薬剤師というのは非常に狭い世界で生きていて、しかも女性の多い職業であるため、他の業界と比べると給与では足元を見られているのかなとそこで思いました。特に職場に愛着とか働きやすさを感じていないのであれば積極的に転職した方がいいのだと気づきました。

結局、転職サービスの仲介を受けて、他の調剤薬局に転職することになりました。そこで驚いたのは他の薬剤師さんのバックアップが充実していることでした。転職の際に給与よりも働きやすさ、育児との両立を重視して転職先を探しました。そういった趣旨を転職先の人事担当の方に面接の際に伝えておいたことも良かったのかもしれませんが、子供が風邪をひいて仕事を急に休まなければならない状況になったとしても、人員的にゆとりがあって、しかも同僚の薬剤師の方々は良心的にシフトを代わってくれたりして、以前の職場とは働きやすさの面で大きな違いがあります。

今となっては子供も少し大きくなって逆に小さな子供のいる薬剤師さんのフォローをする立場になっているのですが、その持ちつ持たれつの関係に私は居心地のよさを感じています。以前の職場で薬局長からのパワハラなど嫌がらせに耐えて仕事を続けている自分を想像するとぞっとします。ちなみに給与水準も少しよくなったのでその面でも満足しています。