当たり前だと思っていた働き方に疑問を持つ。

10.13.2020 · Posted in

病院の附属の看護学校を卒業し、晴れて看護師国家試験に合格した私は、エスカレーター式に母体の病院へ入職をしました。私の出た看護学校では、系列の病院へ就職するのが当たり前という風潮があり、新人として働くには、母体の病院で働くことが立場的にもいちばん有利だろうと考えていたので、そのまま特に調べもせず、なんの疑問も持たずに母体の病院で働き始めました。

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しかし、その病院は超急性期のかなりハードな現場。新人で要領の悪い時期ですから、5時間の残業は当たり前、新人教育のためと言って出された課題で帰るのは0時を過ぎることもしばしばで、半年たつ頃には帯状疱疹になるほどでした。しかし、1年間は頑張ろう、と無理をした結果ちょうど1年過ぎた頃にうつ病を発症してしまい、もう少し体力的に楽な病院を探そうと、回復期のある病院を探して転職活動を始めました。

看護師は採用の際は、人手不足が手伝ってか他の業種と比べてもかなりウェルカムな対応をとってくれる病院が多いです。なので、まだ年数が浅かった私ですがあまり緊張しすぎずに、自分の経験等の売りを話すことができたと思います。

失敗談としては、前の病院では電子カルテは何を使っていたかと質問され、このことについて全くノーマークで、そんなことを聞かれると全く思っていなかったので、パソコンの機種のことだと思い込んでおり、自信満々にパソコンメーカーの名前を出してしまいました。すると面接官から「そんなメーカーあったっけ?」という反応されてしまい、帰ってから調べてみると、全く見当違いの受け答えであったことが判明。面接自体は通過しましたが、かなり恥ずかしかったです。

看護師は就職・転職において売り手市場と言われているのは知っていましたが、本当にそうだったんだということを肌で感じました。1年強しか同じ病院で働けなかった自分に負い目を感じながら始めた転職活動でしたが、働いていた部署がかなりハードであり、どこに面接に行っても「そこで新人として働いたなら、これからどこでも働けるね。」と、言っていただけたお陰で、転職活動を通して自分への自己肯定感が増したように思います。

また、それまでは実習等で行っても系列の病院ばかりだったので、様々な運営体制の病院を見られたことがかなり勉強になったと思います。できるだけ残業の少ない病院を探していた私に、実際はそれなりに忙しい現場であるにもかかわらず、言葉巧みに「ここは仕方なく残業はあるけど、ほとんどは大丈夫~」と、言いながらも、看護師長がオペ出しをしているなど若干言葉と矛盾していたのを見たときは、どこの病院も人手不足で困っているんだな、と感じて少し笑えました。

現在の病院では、残業は全くといっていいほどしていません。帰ってからしっかり自炊をしたり、ゆっくりお風呂に入れたりとかなり自分の時間が増え、充実感が増したように思います。また、残業しなくていいほど余裕がある職場なので雰囲気も明るく、皆いつも笑顔で接してくれて余裕があって和やかだなと感じます。

忙しい他部署から来た、性格がきついと噂されていた先輩も、余裕がある私たちの部署に来て「ここにいると、余裕があるから優しくなれるよね」と、言っていて、本当に環境が人を変えるんだなと実感しました。帰ってから時間があることで、同僚とごはんに行ったり、仲良くする機会も増えました。

前の病院でも、みんなで課題をしたりと集まることは多かったですが、プライベートで楽しく過ごせる仲間ができたのがよかったと思います。仕事に追われて生きていた私ですが、仕事は生活のためにしているだけで、それだけではいつか調子を崩してしまうのだということを身をもって実感した転職でした。